【恋愛学】森川友義×NOZZE.代表 須野田珠美
対談 結婚の◯◯学「第1回目「結婚の政治経済学 -後半- 」
(結婚アテンダント公式テキスト第8章 「恋愛と感情」について)

恋愛に年齢は関係ない?!自分の価値を知り、価値を上げるために(後半)

【恋愛学】森川友義×結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美対談の様子01

早稲田大学で「恋愛学」の講義を行なう、早稲田大学国際教養学部教授の森川友義(もりかわとものり)先生。
先生は政治学者でいらっしゃいますが、恋愛・結婚を学問として捉え、大学で教鞭を取り、この分野の著書も多数おありです。 森川先生には、結婚相談所ノッツェ.、一般社団法人結婚社会学アカデミーとタッグを組んでいただき、「恋愛力養成講座」をご担当いただいております。

「出会いのポイント」女性がイニシアチブを

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:それは、一人で長く生活していると、人から見られるとか、人とあまり接する機会がないと、自分をあらためて客観視できるというチャンスがないことにも起因しているのでしょうか。たとえば、出会いを前提とした場合の、そういう人にならないためも、そうなのですけれど、出会いのポイントとして、先生はどういうものが挙げられますか。

森川友義

森川:確かに、出会いの減少というのは大きな問題です。若者の絶対数が減っているので問題ですし、シニアはシニアで出会いの場所が非常に限られていますから、出会いが難しい状況です。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:そこはちょっと不思議なのですけれども、昔も今も、異性がそこにいて出会うということを考えれば、今のほうがチャンスが多い気がするのですよね。にも関わらず、出会いがないと言うじゃないですか。それは、どういう現象なのでしょうか。

森川友義

森川:人口ピラミッドの形が変わってしまったのですね。たとえば、1964年の東京オリンピックの頃は、エジプトのピラミッドのような形をしていました。つまり、若い人がたくさんいて、道を歩けば若い人がいっぱいいたわけです。日本の平均年齢は28.5歳でしたら、出会いは非常に簡単でした。ハンカチを落とせば、若い人が拾ってくれたわけです。(大爆笑)

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:先生、落としたのですか?拾ったのですか?(笑)

森川友義

森川:拾うのは男の役目ですね。他方、現在の日本の平均年齢は、46歳前後になってしまいました。ということで、ハンカチを拾ってくれる人は、おじさん、おじいさんになってしまったわけです。人口ピラミッドが逆三角形で、これを棺桶型なんていう言い方をする人もいますが、これではなかなか若い人同士の自然な出会いというのは、昔に比べて難しくなってきたということです。

【恋愛学】森川友義×結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美対談の様子02

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:たとえば、都市型にもなってきたら、都市などの中央に行っても、県庁所在地だとか、東京そのものだといっぱい人が集中しているじゃないですか。そんな中であっても、異性がお互いいるにも関わらず、さっきの方、フィードバックしますけれど、自分から積極的に異性に向かっていこうとすると、客観視しているだけで、あえてその人に向かっていこうとしないという姿勢が多く見られるような気がします。それを草食男子というのか、絶食男子というのか。そういう傾向を先生はどう思われますか?

森川友義

森川:男性だけがというふうに見えますが、女性もまったく同じなのですよ。これを一番端的に表している数字というのが、「メディア接触時間」というものですけれど、要するに、一人でいる時間、つまりテレビやラジオ、新聞、LINEやパソコンの前にいる時間が、現在は平均一日して393分あります。これは仕事を除いての数字です。ということは、男性も女性も6時間半もずっと一人でいるのですね。昔は一人でいる時間は、文学書を読んだりテレビを観たりするかくらいだったじゃないですか。まあ、せいぜい3時間〜4時間です。ところが現在はその倍になってしまった。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:自然と誰かと話したくなりますよね。

森川友義

森川:そうなのですが、基本は一人。6時間半も一人なので、コミュニケーション能力が低下してしまっているのです。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:バーチャルコミュニケーションなのだけれども、あたかも、そこに満足しちゃっているみたいな感じもありますよね。

森川友義

森川:はい。さらに仕事でもパソコンを使う時間が増えている状況で、下手すると仕事中8時間くらいパソコンの前にいる人もたくさんいるじゃないですか。人と人とのコミュニケーションというのは、なくなってしまいます。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:いろんな、メディアもそうですし、SNSの時代もそうですし、バーチャルにいくらでも、自分を満足させるものがある中でも、やはり、実態のある恋愛をして欲しいじゃないですか。 その方たちのために、出会いのポイントをいくつか話していただけますか?

森川友義

森川:それには、結婚相談所が良いですね。(笑)

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:出会いたいと思っている人がいるところに行くということですね!

森川友義

森川:そうです。普通の出会いだと、効率が悪いわけです。女性がいて、結婚したいと思ったときに、男の人に出会いました。すると、男の人は次の3つのうちの一つなのですよ。恋愛したいか、結婚したいか、不倫したいか。恋愛だけで良いという人もいるし、実は不倫したい、浮気したいというだけの人もいる。自分が結婚したいと思ったときに、結婚したいという異性に会うのはたいへん難しいと思います。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:たとえば今、ネット婚活みたいなものもあって、ゲーム感覚で婚活をしている方もいるじゃないですか。ノッツェ.では、結婚したい男女が、ダイアモンドプリンセス号(というクルーズ船)の中で、五泊六日で行う婚活を開催しています。フジテレビでも、一時間番組「ザ・フィクション」で取り上げられて、ご好評いただいたので来年3月にまた開催することになりました。残念ながら人数に限りがあるので、女性はオーディションをしておりますが、そこに来る女性たちが、みんな同じようなことを言うのですね。「今ネット婚活しています、よく合コンも行っています。お見合いパーティーに行っています。でも結婚を本気でしたい男性に巡り合わない。だから、このテレビを観てみなさん真剣に結婚に対して取り組んでいるので来ました。」と言われるのです。ですので、自分が本当に結婚をしたいのか、恋愛でいいのか、それとも遊びだけでいいのか、その対象者がいるところに行かなければ、その希望は叶えられないということですよね。

森川友義

森川:それはそういうことですね。男の人はまず恋愛を考えるというのは仕方ない一面もあります。男の人というのは、まずは恋愛したいのですね。恋愛してうまくいったら、次に結婚を考えるという、二段階ステップです。女性の場合は、恋愛と結婚はほぼイコールで、恋愛=結婚です。恋愛と結婚をほぼ同時に考えて、結婚できそうな人と恋愛する。まあ、ずるいっちゃ、ずるいと男性からはそう思えてしまいますが。他方、男の人は、まず恋愛をしたい、好きになりたいという気持ちがあります。好きになった後に結婚を考えるという、2ステップなので、結婚までにたどり着くには時間がかかるという面はあるかとは思います。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:そういう男性に、結婚したい女性は、もし自分の彼がそういう考えだとすれば、どういうふうにアプローチをかけていったら良いのでしょうか。

森川友義

森川:まずは、好きにさせる。好きにさせた後に、たたみかける。(大爆笑)
戦術的にいったら「遠交近攻策(えんこうきんこうさく)」が効果的です。昔の中国の戦法ですけれども、近くの敵を攻めるには、遠くにいる敵と仲良くせよ、ということです。たとえば、カレのお母さんと仲良くなって、外堀を埋めてゆくことが不可欠です。そうやって結婚へのレールに乗せてゆくことが重要で、結婚に向けては女性がイニシアチブをとるべきです。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:じゃあ、ある程度女性は賢くなければいけないですね。対象者ばかりにアプローチを掛けるのではなくてということですよね。たとえば、彼が興味を持っている趣味だったら、知らない間に習得して、一緒にやれるのよだったり、ご家族だったり、お仕事をサポートできるようになっていたり、お料理が上手になっていたり、そういうことですよね。

森川友義

森川:そうです。結婚したいと思えるかどうかは、どの程度、男にとって結婚のメリットがあるのかどうかです。当然、メリットがないと結婚したいと思わない。結婚生活はこんなに素晴らしいですよ、というスキルを男性に見せるということが必要となります。

「幸せな結婚」のために大切なこととは

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:それはとても重い話ですけれど。では、これから先生が政治学者として考える、幸せな結婚のために大切なこととは何でしょうか?

森川友義

森川:政治学者としての考えですが、幸せな結婚とは、そもそも難しいです。幸せというのは消費財なので、「限界効用逓減(げんかいこうようていげん)の法則」というのですけれど、それがあてはまります。意味するところは、消費すれば消費するほど、満足度が減ってしまうということで、要するに、最初は幸せですけれど、ハネムーンを過ぎる頃から、だんだんと結婚生活に慣れてゆき、お互い遠慮がなくなって、幸せという気分も消滅していくっていうのが自然な流れです。ただ、幸福感をキープする、維持する方向というのはあるので、それを実践することが不可欠です。たとえば、毎朝起きたときに、前日をリセットして感謝する気持ちを改めて感じてそれを相手に伝えるとか、あるいは、二人だけの夢を持つとか、そういうものを意図的に作っていくことで、幸せというものは持続します。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田: 幸せな結婚という幻影があるわけではなくて、幸せな状態になろうと維持し続けていく努力のプロセスが、幸せという状態ということですよね。
人は社会性の動物ですし、私は年齢問わずパートナーというのは必要だと思っています。もちろん一人で自由に生きる中で幸せを感じるところもありますが、二人で生きることによって、人生の目的や幸せが倍増していくのではないかと、自分自身も30年の結婚生活で体験してきたからですね。だからなるべく、結婚の選択肢を持って生きていただきたいなと思い、永続的に、ずっと続く結婚というものを生み出すためにも、私は今、一般社団法人結婚社会学アカデミーというものを作ったのですね。
今、日本では1/3は離婚しますけれど、その中で多いのが、5年以内の離婚なのですよね。まだよちよち歩きの夫婦じゃないですか、そこを相手に角が立たないようにうまく成立するように伝えてあげたりとか、ごく日常の中で生活を改善していくことで、うまくやっていける方法など、両方の気持ちを汲んで指南するプロ集団が絶対いると思っています。ですから、結婚後の5年間、結婚アテンダントがお世話をして、5年続くと、10年、20年と、自分たちが末永くうまくやっていけるという指針も見えてくるのではと思いますし、少子化の歯止めにもなると思っています。そして、こういう仕事が社会にあることを知らせることで、結婚を不安に思っていた人たちが、アテンドがあるならば、自分も結婚を考えてみようかなと思ってくれるのでは、という気持ちが少しあります。そういうのは、先生はどう思われますか?

森川友義

森川:そうですね。先ほども言いましたように、慣れてしまうと相手の価値というものが減ってしまうわけです。それを常にリフレッシュすることが、重要だと申し上げましたけれど、もう一つ重要なのは、自分の価値を高めていく、点数を上げていくという努力をしていくことも必要ということです。たとえば女性の場合は、見かけの部分では、どうしても魅力度が下がっていきますので、それを維持することも大切ですし、それ以外のスキルを身につけていくと、男の人からすると、常に相手が素晴らしいなと思えますよね。もう一つ大切なのは、不倫をしないこと。[※]夫が一生の間に、不倫をする比率は74%と言われています。高いですよね。4人いると3人までは不倫をしてしまっている。妻の場合は、29.6%。これもまた多いですね。10人いると3人は不倫するということなので、そうするといざこざが増えてきますので、不倫をしないということも大切です。※小学館「週間ポスト」「女性セブン」不倫経験者実態調査

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:その不倫をしないためにも、自分を磨いて、相手にとって常に魅力のある存在でいるということが重要ということですね。

森川友義

森川:そういうことですね。相手は、自分にとってかけがえのない存在だと思えると、10回の浮気が1回に減るかもしれません。(笑)

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:あと、男性脳と女性脳のホルモンの違いとか、その元々の精神構造の違いもあるじゃないですか。それを知っているか知っていないかで、相手の理解度も変わってきますよね。

森川友義

森川:男性は合理的に考える「解決脳」ですし、女性のほうは「共感脳」、つまり寄り添いたい気持ちがあります。両者の脳の構造は異なるわけですが、その点を理解していないと、結婚生活がうまくいかなくなりますね。この違いはもちろん恋愛の場面でも知っておく必要がありますし、仕事の上でも重要です。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:それを何で大学とか、これからもっと恋愛しようと思っている方たちに、先生のように講義として、普通の授業の中で、堂々と教えていけないのでしょうね。少ないじゃないですか。そういうことを知った上で、自分たちが恋愛していき、結婚観を構築していける土壌を作ってあげることを、人間教育の中で、社会学的な教育としても大事ですよね。

森川友義

森川:私の授業を宣伝していただきましてありがとうございます。(笑)

「恋愛に年齢制限はない」シニアも恋愛力アップ

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:素晴らしい授業をされているので。(笑)
シニアの方の件でもう少しお訊きしたいのですが、これからどんどんシニアの方が増えますよね。シニアの恋愛の中で、たとえば恋愛をした後の結婚も、家族それぞれ、再婚同士もあれば、初婚同士もあり、親の介護問題も現実化していますし、自分の結婚問題もそうですし、子どもたちの反対とか、いろんな問題がありますよね。そういうことを、社会学的に見た上で、それでもシニアの恋愛を推奨するには、どのような心構えが必要かを教えていただけますか?どういう気持ちで、恋愛しようかなと考えると良いですか?

森川友義

森川:裕福なシニア男性が、ある日突然結婚すると言いだすと、お子さんの方は、騙されているのではないか、財産目当てだと反対するということはよく聞きます。私たちのメンタルの面ではシニア婚に十分に順応できていない現状があるのではないかということです。でもやはり、50歳になっても独身の人がこれだけ増えてしまうと、そういう時代ではないということを自覚する必要があって、先ほども申しましたように、シニア婚は3.2%ですから、100組あったら、3組はシニアの結婚ということですよね。これからますます増えてきますから、是非、その意識改革も必要です。

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:なんだか、男性ってもう年だから、だとか、年齢相応とか、そういう枕詞とか付けてしまいますが、パートナーを探すということでは、年ということは関係ないですよね。黄昏流星群のドラマじゃないですけれど、50代になっても本当に好きな人が現れるかもしれないし、恋愛をできる力を自分の中に蓄えておくということも必要ですよね。もちろん、浮気は奨励しません。50代の男性初婚の方、あと再婚したいのに10年以上、地団駄を踏んでいる男性、女性もおります。そういう方たちに対して、先生が心掛けていらっしゃることとか、激励のお言葉をお願いします。

森川友義

森川:「恋愛に年齢制限はない」、「異性に出会ったら、恋愛対象とまず思え」ではどうでしょうか。(笑)

結婚相談所ノッツェ.代表須野田珠美

須野田:こうした社会背景とかを知らずして、自分が婚活をしていくのと、やはり先生のような専門家からのお話を聞いて、新たな自分なりの、自分らしい結婚観を構築していくと、自ずと結果は違ってくると思います。2018年11月よりスタートいたしました、森川先生の「恋愛力養成講座」を、是非、直接聞きにいらしていただきたいと思います。また、今後も楽しみに先生との対談を続けさせていただきたいと思いますので、是非ご覧ください。

森川友義(もりかわ とものり)プロフィール

森川友義(もりかわとものり)

森川友義(もりかわ とものり)
早稲田大学国際教養学部教授。政治学博士(Ph.D.)。
1955年生まれ。早稲田大学政治経済学部政治学科卒、ボストン大学政治学部修士号、オレゴン大学政治学部博士号取得。アイダホ州立ルイス・クラーク大学助教、オレゴン大学客員准教授を経て、現職に至る。
専門分野は日本政治、恋愛学、進化政治学。恋愛学の著書は、女性用に『最強の恋愛術』(ロンブー田村淳との共著、マガジンハウス)、男性用に『結婚は4人目以降で決めよ』(新潮文庫)、『なぜ、結婚はうまくいかないのか?』(ディスカヴァー携書)等多数。